Saturday, December 23, 2006

ロボの恋 その1

 ロンはロボの胸郭の中で眠ることもある。このときジャズを子守唄がわりに鳴らしてやると、ロンは空中に浮く。まるで手品みたいだ。骸骨犬のロボも不思議な存在だが、空中に浮くロンも同じく変だ。ロボとロンという似たような名前も変といえば変だ。が、偶然なだけである。
 
 偶然といえばロボがあるときロボだったときあるメス犬に恋をした。そのころその星では犬が最も進化した生物だったので当然のようにパンツをはいていた。犬がパンツを穿いたり脱いだりするのはその体形から非常に難しい、不可能ではないかと思われるかもしれない。
 もちろん道具を使ってそうするのだが、その道具を開発する過程で彼らの文明は発達したのだそうである。裸の彼らは羊を飼っていた。それ以前は狼のように羊を食い殺すだけだったが、いつからか飼うようになった。そして羊毛を刈り込み繊維を作って布を作り裁縫してパンツを作った。けれども彼らの産業は、やがて分業化が進み機械化されて産業革命とは進化しなかったようだ。
 パンツを作れるようになると彼らはデザインの変化は楽しんだが、大量生産には興味を示さなかったみたいだ。そしてパンツ穿き機の構造は非常に単純なもので図解しようにも気味が悪いので割愛させていただく代物だ。
 彼らの産業社会は羊毛という繊維産業とパンツ穿き機という単一工業製品で成り立っていた。人類は何が原因で文明を発達させたのだろうか。私にはよくわかりません。
 ま、とにかく文明犬ロボ、パンツを穿いたロボがパンツを穿いたメス犬に恋をした。名前は忘れたそうだ。
 ロボがあるときロボでありなおかつ犬が文明を持ったというのは並大抵な偶然の結合ではすまされないのであって、その時間を思えば忘れても当然。決して彼の彼女への愛情が薄かったからではない。
                                    

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